々のニュースではキャスターの方が主要な経済指標について言及することがありますが、一般の方だとさらっと聞き流してしまうことが多いかもしれませんね。
しかし経営者の場合は経済情勢に関して高いアンテナを張っておかなければならないので、発表される内容についてはぜひキャッチしておきたいものです。
経済指標は非常に多くの種類があるので全部覚えるのは大変ですが、主要なものとその概要くらいは押さえておきたいところです。
本章では重要な経済指標とその概要について網羅的に見ていきますので、ぜひ参考になさってください。

国内総生産(GDP)

国内総生産(GDP)

国内総生産(GDP)は、一定期間内に国内で生産された財とサービスの総額を示す指標です。
GDPは経済の規模や成長率を示す最も重要な指標の一つであり、現在の市場価格で計算された名目GDPと、基準年の価格で計算され物価変動要因が除かれた実質GDPがあります。

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数は、家庭が購入する一般的な商品やサービスの価格変動を測定する指標です。
この指標はインフレやデフレを評価するために使用されます。
CPIは、食品、エネルギー、住宅、医療、交通、娯楽などの主要な支出カテゴリに基づいて計算されます。
これにより、消費者の生活費の変動を把握することができます。

失業率

失業率は労働力人口のうち仕事を探しているが見つけられない人の割合を示す指標です。
失業率は高すぎると経済が停滞していることを示し、低すぎると労働力不足やインフレ圧力を引き起こす可能性を示唆します。

生産者物価指数

生産者物価指数は、生産者が販売する商品の価格変動を測定する指標です。
インフレの先行指標として使用され、生産コストの変動が消費者物価にどのように影響するかを予測するために役立ちます。

経常収支

経常収支は国の貿易や投資による収入と支出の差額を示す指標です。
経常収支が黒字であれば、外国からの収入が支出を上回っていることを示し、赤字であれば逆に支出が収入を上回っていることを示します。

貿易収支

貿易収支

貿易収支は国の輸出と輸入の差額を示す指標です。
貿易収支が黒字であれば輸出が輸入を上回っていることを示し、赤字であれば逆に輸入が輸出を上回っていることを示します。
貿易収支は国内の経済政策や為替レートに影響を与えます。

企業景況感指数

企業景況感指数

企業景況感指数は、企業経営者が現在の経済状況や将来の見通しに対してどのように感じているかを示す指標です。
この指数は企業の投資や雇用、生産計画に影響を与えます。
経済の先行指標として利用され、企業の行動や経済全体の動向を予測するための要素となります。

金利

金利はお金の貸し借りに対して支払われる利息の割合を示す指標です。
中央銀行が大元の政策金利を設定し、これが市場金利に影響を与えます
金利が低いと消費や投資が促進され、高いと抑制されるという関係がなりたちます。
金利が低いと経営者はお金を借りやすくなり、これが設備投資に回って経済が活性化します。
金利が高いとお金を借りづらくなるので、企業の設備投資が減って経済が停滞するという関係性があります。
また金利を上げることでインフレを抑制し、下げることでデフレを防止する関係もあります。
為替レート方面では金利が高い国の通貨は価値が上がりやすく、逆に低い国の通貨は価値が下がりやすい関係になります。
金利が高い通貨は高いリターンを得られるので投資家からは魅力的に見えて人気が出るので価値が上がる一方、金利が低いとリターンが小さいのであまり魅力的に見えないため価値が下がります。

労働生産性

労働生産性は労働者一人当たりの生産量を示す指標です。
経済の効率性や競争力を測るための指標で、労働生産性が高いと少ない労働力で多くの生産を行うことができるため、企業の競争力が高まります。

財政収支

財政収支は政府の収入と支出の差額を示す指標です。
財政収支が黒字であれば、収入が支出を上回っていることを示し、赤字であれば逆に支出が収入を上回っていることを示します。

住宅着工件数

住宅着工件数

住宅着工件数は新築住宅の建設が開始された件数を示す指標です。
建設業界の活動レベルを測る指標ですが、建設業界だけでなく、住宅で使用される家電や家具の買い替え需要などにも影響します。
この指標は景気動向の先行指標として機能します。

鉱工業生産指数

鉱工業生産指数は鉱業、製造業、電力・ガス・水道業などの生産活動を示す指標です。
経済の生産活動の動向を示し、日本の生産性をいち早く把握できる指数です。

雇用者数

雇用されている労働者の総数を示す指標で、この増減は労働市場の動向を示します。
雇用者数が増加すれば経済が成長し、企業が雇用を拡大していることを示します。

個人所得

個人所得

個人所得は個人が得た総収入を示す指標です。
個人所得の増減は、消費者の購買力や経済全体の活力を反映します。
個人所得が増加すれば消費が拡大し、経済が成長していることを示します。

消費支出

消費支出は家庭が財やサービスに支出した総額を示す指標です。
消費支出が増加すれば経済が成長していることを意味します。

住宅価格指数

住宅価格指数は住宅の価格変動を示す指標で、最新の不動産市場の動向把握に役立ちます。

貨幣供給量

貨幣供給量は経済内で流通しているお金の総量を示す指標です。
貨幣供給量の増加は経済活動の促進やインフレリスクを示すことがあります。

企業収益

企業収益は企業が得た純利益を示す指標です。
企業収益は四半期レポートと年間の収益をまとめた年次レポートがあります。
企業収益が増加すれば、企業の競争力や成長性が高まることを示します。

失業保険申請件数

失業保険申請件数

失業保険申請件数は、新たに失業保険を申請した人の数を示す指標です。
失業保険申請件数が減少すれば雇用状況が改善していることを示し、増加すればその逆を示します

まとめ

この回では経営者が知っておきたい重要な経済指標について網羅的に見てきました。
経済指標は非常に数が多いので全部覚える必要はありませんが、今回取り上げたものは日常のニュースなどでもよく聞くものですから、名前と概要くらいは知っておきたいものです。
テレビやラジオのニュースで名前が出てきたらぜひ注意を払ってください。