企業はその営業活動から利益を上げることができる一方、様々な支出も伴います。
支出が収入を上回ると収支がマイナスになりますから資金繰りは悪化方向に向きます。
当然そのようなことがないように企業運営を進めたいところですが、必ずしも思惑通りにいくとは限りません。
本章では企業の資金繰りが悪化する理由とその対策法について詳しく解説していきますので、ぜひ参考になさってください。

Contents

資金繰りが悪化する理由

資金繰りが悪化する理由

最初に企業の資金繰りが悪化する種々の理由について見ていきます。

①売り上げの不振

売り上げの減少は企業の資金繰りを直接的に悪化させる要因になります。
消費者の購買意欲が低下したり、競合企業との激しい競争により市場シェアが縮小したりすると企業の売り上げは減少します。
また景気の低迷や経済状況の悪化も売り上げに影響を与えます。
売り上げが低迷すれば企業のキャッシュフローが減少し、資金繰りが悪化することになります。

②売り上げ増に伴うコストの増加

売り上げが増加することは喜ばしいことですが、一方で仕入れや物流費、販売促進費などのコストも増加します。
売り上げが急増した場合、供給チェーンの調整が追いつかずコストが膨らむことがあり、資金繰りに影響することがあります。
例えば新規顧客への対応や在庫の積み増しが必要になるため、一時的に資金繰りが厳しくなることが考えられます。

③設備投資

企業の成長や競争力の強化を図るために設備投資は欠かせません。
そのために多額の資金が必要で、新しい機械や設備の導入、工場の建設、ITシステムの更新などで費用面の負担が発生します。

④金利変動

金利が上昇すると企業の借入金の利息負担が増加し、返済負担が重くなります。
現在は金利が上昇局面にあるので、今後の企業貸出金利の動向に注視する必要があります。

⑤返済負担が多い

多額の借入金を抱えている場合、毎月の返済が企業の資金繰りに大きな負担となります。
事業が低迷している場合や一時的な収入の減少が発生した場合、返済が難しくなることがあります。
また借入の条件が厳しい場合や返済期間が短い場合、返済負担がさらに増大します。

⑥売掛金の回収不備

売掛金の回収が遅れると企業のキャッシュフローに影響を及ぼします。
売掛金の回収が計画通りに行かないと支払いに必要な資金が不足し、資金繰りに支障をきたすことがあるので注意が必要です。

⑦資金繰りの失敗

季節的な需要の変動や予想外の設備故障などに対する備えが不足している場合、突発的な資金ニーズに対応できないことがあります。
また適切な予算編成ができていない場合、無駄な支出が増えて資金繰りが悪化する原因となります。

⑧投資の失敗

新規事業や市場開拓、研究開発などに対する投資がうまくいかず、期待していた収益を上げられなかった場合に企業の資金繰りに悪影響を及ぼします。

⑨取引先の倒産

主要な取引先が倒産すると売掛金の回収が不可能となり、企業の資金繰りに大きな打撃を与えます。
取引先の倒産に伴い新たな取引先を見つける必要が生じ、その過程で追加のコストが発生することもあります。

資金繰り悪化の対処法

資金繰り悪化の対処法

では資金繰りの悪化にどのように対処すべきか見ていきます。

①入金と支払いのサイト管理

入金と支払いのスケジュールを厳密に管理することで、資金繰りを安定させることができます。
売掛金の回収サイクルをできるだけ短縮し、早期入金を促進することでキャッシュフローの改善が図れます。
また売掛金の回収と入金サイクルを把握し、管理することは資金ショートを防ぐために必須です。
資金繰り表を活用することでサイト管理が容易になりますから、ぜひ取り組んでください。

②在庫管理

効率的な在庫管理を行うことで無駄なコストを削減し、資金繰りを改善することができます。
在庫の適正量を調整し、過剰在庫や欠品を防ぐことでコスト削減と売上の最大化を図りましょう。

③資金繰りの安定化を図る

資金繰り表を作成し、予測と実績を定期的に見直すことで資金繰りを安定化させることができるのでぜひ実施してください。
資金繰り表は企業のキャッシュフローの状況を把握し、将来的な資金需要を予測するための重要なツールです。

④中長期の予算管理

中長期的な視点で予算管理を行うことで資金繰りの見通しを立てやすくなります。
経営計画に基づいた予算編成を行い、収益と支出のバランスを保つことが重要です。
定期的に予算の見直しを行って経済環境や事業状況の変化に柔軟に対応できるようにしましょう。

⑤資金調達

必要な資金を適切に調達することで資金繰りを安定化させることができます。
金融機関からの借り入れや株式発行、社債の発行などがありますが、事業計画に支障をきたさないように返済計画を練る必要があります。

⑥コスト削減の徹底

効率的なコスト削減を行うことで企業の資金繰りを改善することができます。
具体的にはオフィスの光熱費や通信費の見直し、業務効率化による人件費削減、外部委託の実施などがあります。
従業員に対してはコスト意識を高める教育を行い、無駄な経費の削減を図るようにします。

⑦リースやレンタルの活用

設備投資を控える代わりに、リースやレンタルを活用することも一つの手段です。
これにより大きな初期投資を避け、毎月のキャッシュフローを安定させることができます。
高価な機器や短期的な使用が見込まれる設備にはリースやレンタルが適しています。

⑧デジタルツールの活用

デジタルツールを活用することで資金繰り管理の効率化を図ることができます。
例えばクラウド型会計ソフトを導入することでリアルタイムでの資金状況の把握や予測が可能になります。
またAIを活用した資金繰り予測ツールを導入することで将来的な資金需要を見越して対応することができます。

まとめ

企業の資金繰りが悪化する理由は多岐にわたり、売り上げの不振、コストの増加、設備投資や金利変動、取引先の倒産など様々な要素が存在します。
資金繰り悪化を防ぐためには、入金と支払いのサイト管理、効率的な在庫管理などが求められ、複数の対策を組み合わせて実践することで資金繰りの悪化を防ぐことにつながります。
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いざという時の資金繰りにお役に立てますので、ぜひお気軽にご相談頂ければ幸いです。