金融に関する悪質な勧誘や詐欺事件は昔から数多く存在していますが、残念ながら未だなくなる気配を見せません。

警察の取り締まりもされているものの、悪質な事業者の数が多い事に加えて、それに手を出してしまう人も一定数おり、需要と供給が成り立ってしまっているのが現状です。

悪質なヤミ金業者は法律などお構いなしで利用者を苦しめますから、国民の側も手口を知って自己防衛を考える必要があります。

本章では金融業者を装った闇金の悪質な手口を紹介していきますので、皆さんも手を出さないように気を付けてください。

■貸金業者は都道府県もしくは財務局に登録が必要です

貸金業者は都道府県もしくは財務局に登録が必要です

まず最初に知っておいて頂きたいのが、私たちのような正規の貸金業者は国家資格を取得したうえで決められたルールに従って行政機関への登録を行い、金融庁の監督下で適正な事業を行っているということです。

貸金事業の性質としては、広く国民の皆様への資金提供を通じて日本国全体を活性化させる役割を持ちます。

逆に、金融取引にみせかけ法外な利息を取るなどして国民を苦しめる事業者もいることから、まっとうに営業する我々のような事業者と、それ以外の悪質な業者を分離するシステムが求められます。

その仕組みとして、正規業者は金融庁の監督下に入り事業を開始する際、貸金業者としての登録番号が付与されることになっています。

例えば弊社であれば「東京都知事(1)第31816号」が登録番号になります。

都道府県をまたいで営業する会社は都道府県知事ではなく各地の財務局が交付する番号になります。

弊社は全国どこからでも利用できるシステムを用いておりますので事業所の数を増やす必要がなく、東京のみの事業拠点となることから東京都知事が交付する番号となっています。

登録番号を付与された正規の貸金業者はこちらのページで確認できるので参考にしてください。
https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/

■悪質な業者の手口

悪質な業者の手口

では次に悪質なヤミ金業者がどのような手口で営業するのか見ていきます。

①貸金業登録詐欺業者

前項でお伝えしたように、正規の業者は行政から付与された登録番号を有しています。

悪質なヤミ金業者は、本当は正規の登録などしていないのに登録しているように偽って、HPに架空の登録番号を乗せたり、実際に発行されている他社の登録番号を勝手に乗せるなどして閲覧者を惑わせます。

先にご紹介した登録貸金業者情報検索サービスでは、登録番号から検索するとデータベースに登録された電話番号も確認できます。

架空の登録番号であれば検索結果にヒットしませんが、実際に発行されている番号の場合、業者名と電話番号が確認できます。

業者の名称は同じものを詐称して営業できても、連絡先となる電話番号だけは真似することができないので、登録されている電話番号と業者が表示する電話番号が一致するか確認するようにしましょう。

②システム金融

複数のグループ業者が結託して利用者を追い込むのがシステム金融です。

資金繰りに窮する会社に融資を持ち掛け、小切手や手形を発行させる代わりにいくらかの資金を提供します。

手形や小切手の換金期日が近づいたタイミングで、ヤミ金業者は厳しい取り立てを行います。

このタイミングで次のヤミ金業者が借り換えを誘い、高利の融資に誘導します。

会社を倒産させたくない経営者の弱みに付け込み、次々と高利の貸付けを行い、逃げられないようにして追い込んでいく手口です。

③偽装ファクタリング

正規のファクタリングは売掛債権の売買取引として成立するものの、ファクタリングに偽装した取引形態で貸金業法に触れる営業をするヤミ金業者もいます。

本来のファクタリングは大きく分けると償還請求権のある契約と償還請求権のない契約との2種類があります。

償還請求とは手形・小切手の所持人が支払または引受けを拒絶された場合,自己の前者(振出人・裏書人等)に対し,支払に代わる一定金額(遡求金額)を請求できる権利です(遡及権とも言います)。

償還請求権は、その償還請求を行う権利ということになります。

償還請求権のあるファクタリング契約は正規の貸金業者でないと行えません。

しかしながらこれとは違い昨今、償還請求権のないファクタリング契約を結ぶ企業が多く見受けられますが、前述したとおり、償還請求権のないファクタリング契約では売掛先が倒産するなどした際に債権譲渡を受けたファクタリング会社は債権譲渡会社にその責任を転嫁できませんが、偽装ファクタリング業者はその責任を債権を売った企業や代表者に転嫁できるような契約を結びます。

例えば売掛先から支払いが無かったときに債権譲渡会社やその代表者に支払いを求める、あるいは事前に担保や保証をとる内容の契約となっているような場合が考えられます。

④融資保証金詐欺

ダイレクトメールやファックスなどで融資を持ち掛け、反応があった事業者に対して保証金や供託金、手数料、信用調査費用などの名目でお金を振り込ませます。

名目自体が問題ではなく、とにかく利用者側から先にお金を振り込ませるのが目的です。

そして融資をせずに振り込まれたお金をだまし取ります。

これは事業者だけでなく個人向けにも応用されており、個人向け融資に申し込んだ利用者に手数料等の名目で金を振り込ませ、そのまま逃げる手口もあります。

⑤その他

中小企業の社長さんで個人の資金を事業に投入している人や個人事業主の方には、個人向けの金融類似サービスを装った手口も用いられます。

例えば年金を担保に金を貸し付ける年金担保融資は、本来限られた公的機関にしか認められません。

ヤミ金業者はルールなど関係ないので、年金担保をうたって法外な手数料を取り、わずかな金しか交付しない年金担保融資詐欺の手口も用います。

利用者に年金手帳を送らせて人質にするのが常道で、利用者は弱い立場に付け込まれます。

また最近SNS上で活発な動きを見せるのが個人間の助け合いをうたった個人間融資です。

これも貸金業法に抵触する違法な貸金業となるので絶対に利用しないようにしてください。

■まとめ

まとめ

本章では貸金業者を装った悪質なヤミ金の手口についていくつか見てきました。

金融関連の悪質な手口はこれまで多く確認されており、色々なところで啓発がされているものの被害は一向になくなりません。

理由はいくつかあると思いますが、一つは手口の進化、巧妙化が挙げられます。

新たな詐欺ロジックが次から次に開発されるため国民の警戒意識が追い付かず、被害者がどうしても出てしまいます。

もう一つは利用者側の意識です。

「どうしてもお金が必要」ということに意識が集中してしまい、怪しいと分かっていても手を出してしまう人も一定数いるようです。

「どんな状況でもお金を貸してくれる人がいい人である」ということは決してなく、それはむしろ皆さんを破滅に追い込む悪質業者のスタンスそのものです。

お金の相談を我々のような正規の貸金業者以外の者にしてしまうと必ず不利益がありますから、安易に手を出すことは絶対に避けてください。